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【東京セッション】各分科会報告

こんにちは。京論壇東京セッションの各分科会報告が出来上がれましたので載せます!各分科会参加者の方に書いてもらいました。



国家イメージ分科会

国家イメージの幸松です。ついに東京セッションも無事終了しました!終わったことによる寂しさ、もっとできたという悔しさもありますが、一応それなりに納得のいくFinal Presentationができたこと、ある程度の評価はいただけたこと、そして北京大の友人と記憶に残る素晴らしい経験ができたことに充実感を感じています。
さて僕らの分科会はその名の通り両国の国家イメージの根源を突き詰めることで、どうすれば両国の誤解を解消できるのか、そしてイメージの向上につなげられるのか、両国間の重要なイシューであるNationalism, Products, Entertainmentという3つの側面に分けて議論し発表しました。
議論の具体的内容はブックレットや各報告会に場を譲るとして、個人的に印象に残った点をイシューごとに述べようと思います。
まずNationalismに関してですが、皆さんは中国の人々がどの程度Nationalisticだとお考えでしょうか?ご存じの通りニュースでは過激な反日派の映像をよく目にしますし、そういった人が多いことは間違いないでしょう。議論の中でどうやら反日派は(特に若者では)想像したほど多くないという結論に至りましたが、それ以上に自分は未だに日本を侵略国家として恐れている人が多いと言う事実に驚きました。平均的知識人であればそれが誤りであることはすぐわかりそうですが、逆にいえばそれだけ以前の中国の教育水準が低かったということでしょう。その他には日本との関係悪化を避けるため共産党がそうした風潮を抑えようとしている話も自分には新鮮で、驚きでした。
次にProductについてですが、こちらは製品のイメージがどの程度国家全体のイメージに影響を与えうるかという点で議論がもりあがりました。毒ギョーザ事件が中国のイメージ悪化に比べ、トヨタのリコール事件による日本のイメージ低下は明らかに程度の低いものでした。長い議論の末、人は自分の既存の価値観に従う内容・結論をそうでないものに比べ受け入れやすいことから毒ギョーザはもともと悪かった中国のイメージを大きく悪化させたのに対し、トヨタのリコールは日本製品の信頼に傷をつけたものの比較的小さな影響になったという結論に至りました。逆に言うと中国製品への悪いイメージは本来「途上国だから質が悪いのだろう」という根拠の薄いものであり、それが事件や報道で過度に悪化しているのではないかという事実が見えてきました。これは個人的に非常に面白い経験でしたし、プレゼンでも受けの良かった部分です。
これは全体を通じて感じた事なのですが、中国にとって日本の存在感は予想以上に小さかったです。日本が中国を脅威として特別視しているのに対し、中国はロシアやフランス等他の先進国と同様にしか日本を脅威として感じていませんでしたし、製品へのイメージもドイツや米国に比べれば劣ると言うのが北京大側の意見でした。特別な脅威として見られていないのは良いことでしたが、やはり日本のプレゼンスは世界的に落ちてきているのでしょうorzその点日本の他国を凌駕するアニメ文化は中国にとってはとても魅力的に映るようで、ポップカルチャーのソフトパワーとしての重要性に気づくと同時にそれが日本の魅力の根源だとまで言われることに複雑な感情を抱きました^^;笑
以上ほんの一部をピックアップしたつもりでしたが気づけば1200字を軽く超えていました^^;それだけ内容の濃い議論ができましたし、北京大生との熱いやり取りには多くの刺激をもらいました。ここに載せきれなかった議論の内容、発見は改めて自分がブックレットに書こうと思うので是非そちらもご覧になってください(^o^)/それではこれにて国家イメージ分科会の報告とさせていただきます。

ジェンダー分科会報告
ジェンダー分科会は、「Gender Equality(男女間の平等)」と「Gender Minority(性的少数者)」の2テーマについてプレゼンテーションをしました。この2テーマはジェンダー分野において世界的に主流なトピックであるだけでなく、日中共通の欧米諸国とは異なる現状・課題があること、一方で日中の文化的な違いによる面白い相違点も見つけられることから、議論で扱うことになりました。


「Gender Equality」について私たちは多くの時間を使って現状の分析をしましたが、単なる分析ではなく背景を掘り下げ、日中の違いをあぶり出して互いに学べるように、という強い意識を持って行いました。最終的には、「ジェンダーサークル」という循環モデル図を使って現状と原因の説明をしました。これは、「A:男女が”異なるもの”とみられる」→「B:男女が現実に異なる取り扱いをされる」→「C:結果として女性が不利な地位に甘んじる」→「A」と差別が悪循環する状態をモデル図に表したものです。
それぞれの段階において、日中の現状には共通点と相違点があり、その原因となっている文化・経済状況・政策もまた両国で違っています。例えば高学歴女性が人生で直面しがちな障害は結果的には両国で似通っているものの、原因である教育制度・結婚観・雇用形態などには大きな違いがありました。深い背景を知らなかった時点と議論後では、互いから学べる点・または改善が難しい点について皆の意見が大きく変わったのが印象的でした。(夫婦の経済力バランスは理想的な比率を決められるものではない、祖父母による託児はメリットが大きいなど)また、議論を通じて私たち日本側が感じた大きな価値観の変化としては、両性の平等な経済的自立を促す社会が必ずしも良いとは簡単には言えない、ということです。平等度が高いとされる中国の社会制度を知ってみると、女性が経済的に自立せざるを得ないマイナスの理由も多々あり、日本の言わば「守られた」専業主婦文化を羨む中国人女性もいるのだというのは驚きでした。


「Gender Minority」については、議論の過程で日本ではゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーが一般に混同されているという発見があり、冒頭で彼らの「身体的性別」「性自認」「性的指向」それぞれについて説明を行いました。
次に、現状に対してポジティブに働いている要因とネガティブに働いている要因を比較分析する段階では、日中で非常に面白い違いが浮き彫りになりました。
日本は人権意識の浸透や法政策によって「平等に扱うべき」という社会規範はあるものの、実際に身近には捉えられておらず、マスメディアによるコメディ調の扱いも影響して、特別視する意識が抜け切らないこと。一方中国では、セクシャルマイノリティであろうが、社会の多様性の一部分として認められている傾向があるものの、法的保護が日本より遅れているのは積極的に差別是正をする意識が薄いためだと分かりました。
また、中国では都市・農村間で教育水準や経済力の差が大きく、多様性を受け入れる態度にも大きな差があるということが、北京大生を相手に行ったアンケートの結果からも実感できました。
こちらのトピックでは参加者だった私達自身、相手国の意外な現状に驚く毎日で、ファイナルプレゼンテーションの来場者にも新鮮さを感じてもらえたのではと思っています。

最後に結論として、Gender equalityとGender minorityの議論から共通して学んだこと、及び私達に何ができるのかという提案を行いました。
2つの問題の根底には、ジェンダーというものへの固定観念や文化的な制約が大きく関わっています。文化にもとづく社会制度・雰囲気を変えていくための私たちの提案は、現状を正しく詳しく知ること、学校・家庭内教育で多様な生き方・価値観を教えること、どちらの側からも情報や意見を活発にかわしていくことです。
具体的なソリューションというよりも漸進的な意識改革の努力が必要だということが、ジェンダー問題の奥深さ・複雑さを実感した私たちの結論です。



インターネット分科会
1. 概要
 東京セッションにおいて、インターネット分科会は「ネットが社会にもたらす影響」というテーマで議論を行った。とりわけ“Power Shift”をキーワードに、個人や国家、企業などの影響力がネットの台頭に伴い、それぞれどのように変化したかを考察した。扱ったサブトピックは、“オンラインマーケティング”、“ネットと世論”、“アラブの春”の3つである。これらに加えて、動画共有サイト「ニコニコ動画」の企画・開発・運営を手掛ける株式会社ニワンゴ代表取締役である、杉本誠司様よりお話を伺う機会にも恵まれた。業界関係者からみたネットの特性など、ユーザーとは違った視点でネットを捉えることができ、大変有意義なヒアリングとなった。
 最終プレゼンテーションには、北京セッションで最も白熱した“オンライン上での社会的制裁”に加えて、東京セッションから“オンラインマーケティング”と“ネットと世論”を盛り込んだ。“オンラインマーケティング”では、ネットが仲介業者の寡占化(アマゾン、TaoBaoなど)を引き起こし、生産者と顧客を近づけた点を取り上げ、日中における個人の購買行動の比較分析を行った。“ネットと世論”では、日本の原発事故、中国での列車事故、そして両国にまたがる領土問題といった事例から、ネットでの議論がいかに政府の対応に影響を及ぼしたかを考察した。ここでは、中国の既存メディア(新聞、TVなど)が中国版twitterであるWeiboでの議論を活発に引用している点が、日本との対比で紹介され、ネット上の議論を世論に組み込むプロセスにおける日中の違いが分析された。

2. 所感
 東京セッションでは、日中における相違点の分析にとどまらず、参加者個人の価値観をぶつけ合う議論が活発に行われた。例えば“アラブの春”では、ネットを通して社会運動が国境を超えて広がった点に着目し、日本の政治的不安定や中国の社会体制に対して国民が社会運動を起こす可能性はないのか、といった議論も行われた。こうした点は、日中間や個人における価値観の相違が顕著に現れた一方で、議論を最終的に公開するにはセンシティブであると考えられた。本トピックは、こうした経緯から最終プレゼンテーションには織り込まれなかったが、日中間における相手国への認識も含め、参加者個人の価値観を掘り下げる有意義なものであったと思う。
 最後に、今回の京論壇においては、“国家イメージ”や“ジェンダー”といった分科会でも、インターネットとの深い関係が幾度も認識されたようである。他の分科会で見出された課題に対し、越国境的に発展する“インターネット”を切り口に議論を深めていければ、より発展性ある示唆が得られるのではなかろうか。本セッション終了後ではあるが、本論壇および社会の将来を見据え、更に議論を深めていきたい所存である。

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京論壇2011

Author:京論壇2011
京論壇(きょうろんだん/Jing Forum)は、2005年に東京大学と北京大学の学生によって結成された国際学生討論団体です。年に一度、北京と東京で一週間ずつ合宿を行い、日中間の様々な問題について、官公庁・企業・専門家などを訪問して共に学びながら、「学生ならではの視点」から議論を重ね、その成果を社会に向けて発信しています。

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